一眼レフカメラのしぼりを使いこなす

背景をコントロールする

しぼりを調整して背景のぼかし具合を加減することで、写真の情報量が大きく違ってくることは先述した通りです。

こちらの写真は、F5、1/1000、ISO250で撮ったものです。バラがくっきりと浮き立ったように見えます。自然とバラに目がいきますね。

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こちらの写真は、F9、1/500、ISO1600で撮りました。どこまでも続く人の波が印象的です。誰を撮った、というよりも、多くの人が同じ方向を向いて走っている全体の雰囲気を撮った、という写真です。

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グラビアやコスプレの撮影などでは、左の写真のようにしぼりを開放するのが効果的です。被写体以外の情報を排除することで、被写体がぐっと目立ってくるためです。しぼり優先モードにして、F値を下げましょう。

また、F値を下げていくと、シャッタースピードを上げることができます。よく動く子どもを撮影するには、背景がぼけて子どもが目立つ上に、はしゃいでいる姿もぶらさずに撮れるので、ぴったりの撮影法だといえますね。

しぼりを開いて背景をぼかすと被写体は確かに目立ちますが、被写体そのものに魅力がないと退屈な写真になりがちです。ほかに情報がないぶん、被写体そのものに状況を語ってもらう必要が出てくるわけです。子どもや動物といったイキイキとした被写体は最適ですが、グラビアなどでは被写体に積極的に動いてもらうなどの工夫が必要になってきます。

被写体深度

F値を下げると背景がぼける、とこれまで便宜的に何度も書いてきましたが、正確に言うと少し違います。背景がぼけるのではなく、ピントの合う範囲が狭くなるというのが正解です。

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(F1.4、1/320、ISO200)

この写真を見ると、ピントの合っている中央のフラワーアレンジから離れていくにつれて、手前側にも後ろ側にもぼけていっていることがわかります。

ピントの合う範囲を、被写界深度と表現します。上の花の写真はピントの合っている範囲が狭いので、被写界深度が浅いということになります。

重要なのは、被写体の手前にあるものもぼけるということです。ネットやフェンス越しでの撮影など、被写体とカメラとの間に障害物があるシーンというのは、意外と身近に存在します。スポーツや、オリの中の動物を撮る場合などです。

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この写真はどちらもF値5.6ですが、下の写真は上よりさらにネットに近づき、レンズとネットが触れるくらいの距離で撮影しました。被写体とネットとの距離は変わっていませんが、カメラとネットとの距離を詰めることによってぼけ具合を大きくしています。

背景は被写体から遠いほどぼけやすく、被写体の手前にあるものはカメラに近いほどぼけやすいと心得ましょう。

逆に背景をきちんと写したい場合や、たくさんの情報を写真に入れたいというときには、F値を上げましょう。見たままを表現したい風景写真や、旅行先で建物をバックに記念撮影したいときなどに有効です。

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F22で撮影しています。カメラのすぐ近くを流れる川からはるか遠くの山までがシャープに写り、ほとんど全域にピントが合っているような写真になりました。先ほどの被写界深度という言葉を使えば、この写真は被写界深度の深い写真、ということになります。

被写界深度の浅い写真と比べると、深い写真は全体に目がいくので、構図がしっかりときまっていなかったり、無駄なものが写りこんだりしていると、写真としての魅力が損なわれることになってしまいます。

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