一眼レフカメラのポジション取りの重要性

たくさんのマスコミが取材相手を取り囲んでいるところを想像してみてください。視聴者なら、被写体の後ろ姿を写しているテレビ番組よりも、正面から写している番組を見たいと思いますよね。報道カメラマンたちは、決定的瞬間を逃さないことと同じくらい、いいポジションを確保することを重要視しています。

野球中継を見ていると、カメラのポジションは数箇所しかないことがわかります。一塁と三塁の後ろ側にあるカメラ席、バックスクリーンにもカメラが固まっているところがありますね。選手の表情がわかるように撮れるポジションというのは、限られているわけです。サッカーでもゴールの後ろ側にカメラ席があり、ゴールシーンを逃さないようにしています。

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これはバックネット裏から撮ったものです。野球中継でいくと、投球モーションに入る前の投手の表情をとらえるカメラの位置ですね。

このようにポジション取りは、動く被写体を撮る場合には特に重要になってきます。

 

たとえば子どもの運動会で、徒競走を撮るとしましょう。結論から言うとこの場合、ゴール正面がベストポジションです。表情をとらえたいと思うなら、被写体の正面から撮るのが一番いいからです。加えて、走るコースが直線の場合は、その延長線上で撮るとカメラワークが一番楽に済みます。どの方向に向かって走るかというのは事前に決まっていますから、ゴール正面のポジションというのも自動的に決まっています。スタートの緊迫した表情を撮りたいならスタートライン近くでもいいでしょうが、逆にゴールシーンを撮れなくなる恐れがあります。

 

被写体とカメラとの距離が近ければ近いほど、被写体正面のポジションというのは狭くなるので、場所取り合戦になりがちです。ベストポジション近くでは、邪魔にならないように立って待つか、三脚を置いて場所取りをしておくか、わが子を撮り終わったママ友、パパ友とポジションを交換してもらうか。交渉力がモノを言う世界かもしれません。

 

同じように、お祭りのお神輿がどういうルートを通るのかなど、事前にわかりそうなことは取材しておくことが重要です。

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ポジションの確保は、いい写真を撮るための必要条件です。

 

 

 

視線

 

この写真を見てください。

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2人ともAの絵を見ています。一見すると何も不自然なところはないのですが、この2人はとても不自然だと思っているはずです。

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美術館などで絵を見るとき、普通は絵と向かい合うように真正面を向いて立ちますね。しかしそれでは、このイルカの写真のように、人物は後ろ姿でしか写すことができません。

 

そこで「かなり不自然に思うだろうけれど、Bの絵の前に立って、Aの絵を見てほしい。しかも壁にうんと近づいてほしい。写真には自然に写るから」とお願いしながら撮っているわけです。壁に寄ってもらうことで、省スペース化に成功しています。撮影するときにこんな苦労があったなんて信じられないくらいに自然に見える写真ですね。

 

このように写真上での視線と実際の視線とは、ずいぶん印象が違ってきます。

人物写真の場合、横顔を撮ると「実際に視線の先にあるわけではないけれど、写真で見ると視線の先にあるように見えるもの」を背景として一緒に写すことができます。

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